30秒で伝えるのは「短くする」のではなく「設計する」
企業のSNS動画で最もありがちな失敗が、「5分の動画を30秒に縮めた」もの。早送りにしたり、テロップを詰め込んだりしても、それは「短い動画」であって「ショート動画」ではない。
ショート動画は短い尺を最初から前提にして設計するもの。伝えることは1つ、構成は3パート、冒頭3秒が勝負。
ショート動画の基本構成(30秒の場合)
| パート | 尺 | 内容 |
|---|---|---|
| フック | 0〜3秒 | 「自分に関係ある」と思わせる一言 or 映像 |
| 本編 | 3〜25秒 | 伝えたいこと1つを具体的に |
| CTA | 25〜30秒 | 次のアクション(プロフィールへ / 詳しくはリンクへ) |
フック(最初の3秒)の設計
SNSのフィードはスクロールの連続。ユーザーが指を止めるのは最初の3秒で「自分に関係ある」と感じたとき。
| NG | OK |
|---|---|
| 「こんにちは、〇〇会社です」 | 「この失敗、心当たりありませんか?」 |
| ロゴアニメーション(3秒) | 問題提起のテロップ+映像 |
| 「本日は〇〇についてお話しします」 | 結論から先に見せる |
原則:自己紹介から始めない。フックは「視聴者の問題」か「意外な結論」から始める。
本編で伝えることは1つだけ
30秒で伝えられるメッセージは1つ。2つ入れると両方伝わらない。
1動画1メッセージの原則で設計する。
| 目的 | 1つのメッセージ |
|---|---|
| サービス紹介 | 「こういう課題を、こう解決します」 |
| 実績紹介 | 「この素材、こうやって撮りました」 |
| Tips | 「〇〇するだけで、△△が変わります」 |
| 採用 | 「うちの会社、こんな雰囲気です」 |
CTA(最後の5秒)
動画を見た人に「次に何をしてほしいか」を明示する。
- 「詳しくはプロフィールのリンクから」
- 「気になった方はフォローで最新情報をお届けします」
- 「同じ悩みを抱えている方、コメントで教えてください」
CTAがない動画は「見て終わり」になる。
テロップの設計ルール
SNSの動画は音声OFFで見られていることが多い。テロップがないと、何を言っているかわからない。
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 全セリフにテロップを付ける | 音声OFFでも内容が伝わる |
| テロップは画面下1/3に配置 | SNSのUIと重ならない位置 |
| フォントは太めのゴシック体 | スマートフォンの小さい画面でも読める |
| 重要ワードは色を変える | 視線を誘導する |
| 1画面に表示するテロップは2行まで | 情報過多を防ぐ |
撮影のポイント
縦型(9:16)で撮る
Instagram Reels、TikTok、YouTube Shortsはすべて縦型。横型で撮った映像を縦型に切り出すと、画角が窮屈になる。最初から縦型で設計する。
手持ち+ジンバルが基本
三脚で固定した映像は安定しているが、SNSでは「動きのある映像」の方が目を引く。ジンバル(スタビライザー)を使って、滑らかに動く映像にする。
照明は自然光+LED1灯
SNS動画にスタジオ照明は不要。窓際の自然光+LED1灯で十分。大事なのは顔が明るく映ること。
量産する仕組みを作る
ショート動画は「1本の完成度」よりも「継続的に出すこと」の方が重要。そのためには量産の仕組みが必要。
テンプレートを作る
1本目で以下を決めたら、2本目以降はテンプレートに流し込むだけにする。
- テロップのフォント・色・位置
- BGMのトーン(毎回同じ系統のBGMを使う)
- オープニングとエンディングのフォーマット
- ロゴの表示位置とタイミング
1回の撮影で3〜5本分撮る
毎回撮影するのは非効率。1回の撮影で複数本分のカットを撮り溜めする。衣装を変えれば、別日に撮った風にもできる。
まとめ
企業のSNSショート動画は:
- 最初の3秒で指を止める(自己紹介から始めない)
- 1動画1メッセージで設計する
- テロップは全セリフに付ける(音声OFF前提)
- 縦型で撮る
- テンプレート化して量産する仕組みを作る
「いい動画を1本作る」より「そこそこの動画を毎週出す」方が、SNSでは結果が出る。