代表インタビューは、会社の考え方を外に出すうえで最も強い素材のひとつです。
ただ、よくあるのが「記事は記事の会社、動画は動画の会社」に別々に発注するパターン。このやり方だと、取材が2回必要になるだけでなく、記事と動画でメッセージがずれたり、素材が使い回しにくかったりする。
この記事では、記事と動画を一度の取材で同時に設計する方法を、具体的な段取りまで含めて整理します。
なぜ一緒に設計したほうがいいのか
記事と動画を別々に作った場合と、一緒に設計した場合の差を具体的に比べてみます。
| 項目 | 別々に発注 | 一体で設計 |
|---|---|---|
| 取材回数 | 2回(代表の時間を2日確保) | 1回(半日〜1日で完了) |
| メッセージの一貫性 | ずれやすい | 同じ取材から派生するので統一される |
| 素材の使い回し | 写真は動画会社の、文字起こしは記事会社の所有になりがち | すべての素材を横断的に使える |
| 費用 | 動画+記事で2案件分 | 1案件の中で複数成果物を出せる |
| 展開のしやすさ | 動画は動画、記事は記事で完結しやすい | SNS短尺、営業資料、採用ページまで展開しやすい |
代表の時間は限られています。2回取材するよりも、1回の取材を高密度に設計して、そこから複数の成果物を作るほうが現実的です。
質問設計の具体的な方法
代表インタビューの質は、撮影でも執筆でもなく、質問設計の段階で決まります。
質問設計の手順:
-
用途別に「引き出したい話」を洗い出す
- 会社紹介: 創業の経緯、事業の強み、今後の方向性
- 採用広報: 求める人物像、社員に対する考え方、働く環境
- 営業向け: 顧客への提供価値、他社との違い、品質へのこだわり
-
核となる質問を5〜7つに絞る
- 全部で15〜20問用意するが、「これだけは必ず聞く」を7つ以内に絞る
- 各質問に「どの用途で使うか」のタグをつけておく
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質問の順序を設計する
- 話しやすい質問から始めて緊張をほぐす(創業のきっかけ、最近の出来事など)
- 核心の質問を中盤に配置(事業の強み、差別化、ビジョン)
- 感情が動く質問を後半に(社員への思い、困難を乗り越えた経験)
- 最後は前向きな話で締める(今後やりたいこと、読者・視聴者へのメッセージ)
-
各質問の想定回答時間を決める
- 動画用: 1回答あたり30秒〜1分30秒が編集しやすい
- 記事用: 自由に長く話してもらい、後で整理する
- 「短めにお願いします」と言うより「○○について1分くらいでお話しください」のほうが答えやすい
取材当日の段取り
一度の取材で記事と動画の素材を効率的に撮るための段取りです。
推奨スケジュール(所要時間: 3〜4時間):
| 時間 | 内容 | 撮るもの |
|---|---|---|
| 0:00〜0:30 | セッティング、カメラ・マイクテスト | – |
| 0:30〜0:45 | 代表到着、マイクピン留め、雑談でリラックス | リラックスした表情のカット(写真) |
| 0:45〜1:45 | インタビュー撮影(質問15〜20問) | 動画・音声・写真(静止画カメラ併用) |
| 1:45〜2:00 | 休憩 | – |
| 2:00〜2:30 | 追加カット撮影(執務風景、打ち合わせ風景) | 動画Bロール・写真 |
| 2:30〜3:00 | 商品やオフィスの撮影 | 動画Bロール・写真 |
| 3:00〜3:30 | 撤収 | – |
当日のポイント:
- 動画カメラと別に写真用のカメラマンを入れておくと、記事用の写真と動画用のBロールが両方押さえられる
- インタビュー中は「もう一度短めに言い直してもらえますか」を恐れない。編集しやすい素材になる
- 質問の合間に「○○についてもう少し具体的に聞かせてください」と深掘りする。この追加質問から良い素材が出ることが多い
1回の取材から展開できる成果物
取材後に作れる成果物の一覧です。最初からこの展開を想定しておくと、素材の撮り漏れを防げます。
- 代表インタビュー動画(3〜5分のフル版)
- 30秒ダイジェスト版(SNS用)
- 代表インタビュー記事(2,000〜3,000字)
- 代表メッセージ文(採用サイト・会社案内用、500字程度)
- 写真素材(プロフィール写真、執務風景、オフィス風景)
- 営業資料用のキーメッセージ抜粋(スライド1〜2枚分)
- 社内共有用の書き起こしテキスト
別々に発注していたら、これだけの成果物に3〜4案件分の予算が必要です。一体で設計すれば、1案件の予算と代表の半日で揃います。