セミナーや説明会を実施しても、その後の営業、採用、Web発信に活かしきれていない。録画データはあるが長尺のままで使い道が定まらず、開催ごとに完結してしまっている。
この状態は、実施能力の問題ではなく再活用の設計が抜けていることが原因です。
この記事では、7th Logicがセミナー・説明会の案件をどう組み立て、開催後にどう発信資産へ変換しているかを具体的に整理します。
まず整理すること──開催前に決める4つの論点
セミナーが「開催して終わり」になる最大の原因は、開催前に「何を残すか」を決めていないことです。以下の4つを先に決めます。
| 論点 | 具体的に決めること | 決まっていないとどうなるか |
|---|---|---|
| 何を残すか | アーカイブ/短尺動画/記事/営業資料/採用素材 | 「録画はある」が使い道がない状態になる |
| 誰に見せるか | 当日参加者以外で、この内容を届けたい人は誰か | 当日参加者限りで終わる |
| どう広げるか | Web公開?社内共有?メール送付?SNS? | 素材は作ったが配信先が決まっていない |
| 再編集の前提 | アーカイブをそのまま出すか、編集するか | 収録の仕方が再活用に向いていない |
7th Logicの進め方
Phase 1: 開催前──再活用を前提にした進行設計
通常のセミナー準備に加えて、以下の「再活用のための仕込み」を進行台本に組み込みます。
進行台本への追加設計:
[セクション1: 導入]
├── 司会の開会挨拶(1分)
│ └── ※ セクションの区切りを明確にする(アーカイブのチャプター用)
│
[セクション2: メインプレゼン]
├── 登壇者プレゼン(20分)
│ ├── ※ 要点は繰り返し発言してもらう(短尺動画の切り出し用)
│ ├── ※ スライドの切り替えタイミングを台本に記載(スイッチング用)
│ └── ※ 質疑に使えそうなスライドにマーキング(営業資料転用用)
│
[セクション3: パネルディスカッション]
├── モデレーター進行(20分)
│ ├── ※ 各パネリストに「まとめると○○です」と締めてもらう
│ └── ※ 名言が出そうなテーマを意図的に振る(SNS用の短尺カット)
│
[セクション4: Q&A]
├── 質疑応答(15分)
│ └── ※ 質問を復唱する(Q&Aまとめ記事の素材)
この設計は、当日の参加者体験を損なうものではありません。むしろ「区切りが明確」「要点が繰り返される」「まとめが入る」ことで、参加者にとっても分かりやすい進行になります。
Phase 2: 当日──配信+収録+写真を一体で管理
当日は、配信オペレーションと並行して以下を同時に行います。
| 担当 | やること |
|---|---|
| 配信オペレーター | 配信の送出、画面切り替え、音声管理 |
| 収録担当 | 配信とは別系統で高品質録画(編集耐性のある品質) |
| カメラマン | 登壇者、参加者、会場の写真撮影(記事・SNS用) |
| ディレクター | 進行管理、切り出し候補のタイムスタンプメモ |
| チャット監視 | 質疑応答の質問ピックアップ、参加者の反応記録 |
配信専任の案件と比べてスタッフが1〜2名増えますが、この追加投資で開催後に得られる素材の量と質が大きく変わります。
Phase 3: 終了後──素材の変換と展開
開催後1週間以内に、以下の素材を作成・展開します。
営業活用向け:
- プレゼンの要点をまとめた営業補足資料(スライド3〜5枚)
- 見込み顧客への送付用アーカイブリンク(期限付き公開)
- 商談前の事前共有用ダイジェスト動画(3分)
採用活用向け:
- 登壇者の人柄が伝わる短尺インタビュークリップ(1分 × 2〜3本)
- セミナーの雰囲気が伝わるイベントレポート記事(写真8〜10枚+テキスト)
- 採用説明会で使えるプレゼン抜粋スライド
広報・Web向け:
- オウンドメディア用の開催レポート記事(2,000字)
- SNS用名言クリップ(30秒 × 3〜5本)
- メルマガ用のQ&Aまとめ
社内向け:
- 当日不参加者へのチャプター付きアーカイブ
- 部門別に関連するセクションだけを切り出し共有
- 次回開催のための改善メモ
このアプローチで変わること
- セミナーが単発で終わらなくなる──開催後も営業、採用、広報で素材が使い続けられる
- 営業チームが「あのセミナーの動画送ってください」と自発的に使い始める
- 採用サイトやSNSの更新ネタに困らなくなる
- 次回開催時に前回の改善メモがあるので品質が上がり続ける
- 登壇者自身が自分のプレゼンを振り返って改善できる
「そこまでやるのは大変では?」に対する答え
素材の展開をすべて自社で行う必要はありません。大事なのは、開催前に「何を残すか」を決めておくことです。
その決定さえあれば、あとは制作レベルの作業なので外部に任せられます。逆に、この決定がないまま外部に「何か作ってください」と頼んでも、使える素材にはなりにくい。
「どこまでやるか」は予算と優先度で調整すればよいのです。全部やる必要はなく、今回はアーカイブと記事だけ、次回は短尺動画も追加、という段階的な進め方で十分です。